新規ウィンドウを開く
2026年Swift Student Challengeの優秀受賞者であるYoonjae Joung、Karen-Happuch Peprah Henneh、Anton Baranov、Gayatri Goundadkarを中心とするカラフルなコラージュ。
(左から)Yoonjae Joung、Karen-Happuch Peprah Henneh、Anton Baranov、Gayatri Goundadkarは、今年のSwift Student Challengeの入賞者の4人です。
デベロッパ 2026 年 5 月 7 日
プレゼンテーションを行いながらリアルタイムのフィードバックを受け取る。アクラで洪水区域から避難する。物理的な楽器なしでヴィオラを演奏する。震えを心配せずにiPadで絵を描く。これらは、今年のSwift Student Challengeの優秀受賞者が、入賞アプリプレイグラウンドで生み出した解決策のうちのわずか4つです。
毎年恒例のSwift Student Challengeは、Appleの覚えやすいSwiftプログラミング言語を使って構築するオリジナルのアプリプレイグラウンドを通じて、自分のアイデアに命を吹き込むよう、世界中の学生に呼びかけています。今年の350の入賞者は37の国と地域から集まり、幅広いテクノロジーを紹介しています。
「Swift Student Challengeで目の当たりにするクリエイティビティの広がりには、いつも驚くばかりです。今年の入賞者は、Appleのプラットフォーム、Swift、AIツールのパワーを利用して、技術的に素晴らしいと同時に有意義なアプリプレイグラウンドを構築する驚くような方法を見つけました。私たちは彼らの歩みを支援できることをとても誇りに思います。彼らが次に何を作り出すのかを見るのが待ちきれません」と、Appleのワールドワイドデベロッパリレーションズ担当バイスプレジデントであるスーザン・プレスコットは述べています。
50名の優秀受賞者は、6月にApple Parkで開催されるWorldwide Developers Conference(WWDC)に招待され、厳選された3日間の体験に参加します。1週間を通じて、学生たちは基調講演をライブ視聴したり、Appleのエキスパートやエンジニアから学んだり、実践的なラボに参加したりする機会があります。
今年の入賞者の多くは、自分のコミュニティから、あるいはキッチンテーブルでの会話からインスピレーションを得て、アクセシビリティを中核に据えた素晴らしいアプリを作り上げました。以下に紹介する優秀受賞者のGayatri Goundadkar、Anton Baranov、Karen-Happuch Peprah Henneh、Yoonjae Joungは、自分のアプリプレイグラウンドと自分が解決しようとしている現実世界の問題を掘り下げて、持続的な変化を促すアプリ開発の力を実証しています。

Steady Handsでアートをもっとアクセシブルに

20歳のGayatri Goundadkarは、インドのプネーで祖母と一緒に絵を描いて育ちました。2人は、基本的な幾何学図形を使うことで知られる、何世紀にもわたる芸術形式であるワルリー画への情熱を共有していました。しかし、Goundadkarの祖母は歳を重ねるにつれて手が震えるようになり、日々の習慣に参加できなくなりました。Goundadkarはその喪失感を抱き続け、これがApple Pencilの安定化機能を使って震えの症状がある人をサポートするアプリプレイグラウンド、Steady Handsを構築するきっかけとなりました。
「私の主な対象者は高齢者です」と、MITワールドピース大学のコンピュータサイエンス専攻の3年生で、大学でアプリ開発プログラムに参加しているGoundadkarは説明します。「インドでは特に、その世代の人々はテクノロジーに気後れすることがあるので、それを念頭に置いてあらゆることを決めました。インターフェイスは、殺風景なものではなく温かみを感じられるものにする必要がありました。アプリを開いて途方に暮れたり圧倒されたりする人がいないようにしたいと思いました。自分のために作られているように感じてほしかったのです」
デジタルアーティストのパレットを持つGayatri Goundadkarと、震えが修正されることを表している、絵筆とくねくね曲がった線のカラフルな3Dイラスト。
祖母からインスピレーションを得て、Gayatri Goundadkarは震えの症状があるアーティストを支援するSteady Handsというアプリプレイグラウンドを構築しました。
ユーザーがこのアプリで自由に描けるようになるために、Goundadkarは、震えについて、また、それがiPadのタッチスクリーン操作にどう影響するかについて理解する必要がありました。彼女は、タッチ調整などのAppleのアクセシビリティ機能からインスピレーションを得て、SwiftUIの概念を学ぶことから始め、AnthropicのClaudeを使って、PencilKitがストロークデータを扱う方法などのトピックを理解するのに役立てました。また、ユーザーの震えを特徴づけるため、彼女は、iPadとApple Pencilからの未加工のモーションデータを分析するツールを構築しました。このツールは手の動きをキャプチャし、信号処理技術を適用してユーザーの震えの頻度と強さを特定します。
「絵を描くと、私のアプリはAppleのPencilKitとAccelerateのフレームワークを使ってストロークデータを分析し、震えを認識します。意図的なものとそうでないものを検出して、震えの要素を取り除きます。すべての絵は、そのあと、パーソナルな3Dミュージアムに表示されますが、これは自分を患者ではなくアーティストのように感じてほしいからです。ユーザーは、安定化がうまくいっているのを見ると、もっと自信が持てます」と彼女は言います。

pitch coachでプレゼンテーションを仕上げる

22歳のAnton Baranovが、ドイツのフランクフルトで家族のキッチンテーブルに座っていた時、言語学と文学の教授である彼の母親が話した一言に衝撃を受けました。
「彼女は、自分の学生は非常に有能だけれど、何かのプレゼンテーションをしている時に、固まってしまうことがあると言いました。彼らは言葉を失い、前かがみになり、アイデアを共有できないのです」とドイツのミッテルヘッセン工科大学でコンピュータサイエンスを専攻するBaranovは述べています。それが、pitch coachという、Baranovが「Apple Intelligenceを活用した『Shark Tank』ピッチの助っ人」と表現するアプリが誕生した瞬間でした。
16歳でプログラミングを始めたBaranovは、昨年8月に初めてSwiftを使い、2月にpitch coachを構築しました。彼は初期バージョンを母親の学生のところに持って行き、具体的な課題を発見しました。それは、学生はどこで失敗したかわかっているものの、事が起こってからしか間違いに気づかないということです。「ある学生が私に『プレゼンテーション中に自分を見られたらいいのに』と話したのです」とBaranovは思い出します。「それがまさに、リアルタイムのフィードバックとAirPodsの姿勢追跡がアプリの中核になったきっかけです」
コードブレースやターゲットなどプレゼンテーション要素を表すカラフルな3Dイラストに囲まれた、意気込んでジャンプするAnton Baranov。
Anton Baranovのpitch coachアプリは、リアルタイムのフィードバックにより、学生が自分のプレゼンテーションスキルを微調整できるようにします。
ユーザーを導いてプレゼンテーションの不安を乗り越えられるようにするため、BaranovはAppleのFoundation Modelフレームワークを活用して、各セッションのあと、パーソナライズされコンテキストに即したフィードバックと概要を生成し、「えっと」や「あのー」のような会話の間を埋めるつなぎ言葉に注意するようユーザーに呼びかけます。彼はまた、Xcode 26でClaude Agentを使ってアプリを20の言語に翻訳し、友人や同僚と相談して、ほかの言語のつなぎ言葉を特定するのに役立てました。
Baranovは3月上旬にApp Storeでpitch coachをリリースし、以来、オーガニックダウンロード数は6,000以上にのぼっています。このアプリのユーザーの多くは、プレゼンテーションの練習のためにこのアプリを使っていますが、Baranovは、ラップパフォーマンスやお笑いのネタの練習という、彼を笑わせた一部の使用事例について述べています。「ユーザーがアプリを定義するので、彼らがある用途のためにこのアプリを気に入ったなら、その用途で使えます」と彼は言います。

Asuoで洪水区域からの安全な避難経路を見つける

Karen-Happuch Peprah Hennehは、今年Swiftを学んだばかりです。祖国ガーナでコンピュータサイエンスと情報テクノロジーの学士課程を修了したあと、プログラミングの機会があまりなかったため、Hennehはアニメーションに集中しました。その傍ら、FigmaとHTML5を学び、現在はカリフォルニア美術大学でインタラクションデザインの修士号取得に取り組んでいます。
彼女は、洪水の多いコミュニティのために、入賞アプリプレイグラウンドのAsuoをデザインしました(「Asuo」は、ガーナで広く話されているトゥイ語で「流水」を意味します)。Asuoは洪水区域の人に安全なリアルタイムの経路を提供し、実体験、つまり2015年にアクラを襲い、連鎖的に被害が拡大した破壊的な洪水にもとづいています。
洪水避難アプリを表している、雨雲と、スタート地点から目的地ピンまでの経路を示すマップの3Dイラストに囲まれた、Karen-Happuch Peprah Henneh。
Karen-Happuch Peprah Hennehは、自分のアプリプレイグラウンドであるAsuoで、洪水区域からの避難がより簡単に、より安全になることを願っています。
「国中が喪に服していたので、あの体験は本当に忘れられません。私は、もし機会があるなら、まず最初に雨の強さを計算でき、これまでの洪水データにもとづく経路発見アルゴリズムを使うアプリを構築しようと決めました」とHennehは言います。
Asuoを作る上で、Hennehはこのデータすべてを同期しなければならないだけでなく、誰もが使えるようにする必要もありました。「アクセシビリティは、あとから考えたのではなく、最初から主要な検討事項でした。危機の中で、誰一人として、障がいや制限を理由に取り残されてはいけません」と彼女は言います。
このアプリのインタラクティブ要素にはVoiceOverラベルとヒントがあるため、視覚に障がいのあるユーザーはすべての画面を操作できます。Hennehは、AVSpeechSynthesizerを使ったカスタムの音声アラートシステムも構築し、ユーザーはスピーカーボタンでこれをオンに切り替えることができます。
FigmaでAsuoのインターフェイスをデザインしたあと、Hennehは、アプリの起動画面に表示される降雨シミュレーターのデザインとA*経路探索アルゴリズムの実装について、Claudeに支援を求めました。「私はデザイナーなので、高度に技術的な部分にはあまり踏み込んでいません。それについてはAIエージェントの支援を頼りました。何か月もかかったかもしれないことを、3日から4日でできました」と彼女は話します。
所属するNPOのRadiance Girl Africaを通じて、Hennehは、University of Education in GhanaおよびUniMACを含むいくつかの学校で、若い女性にテクノロジーやアートで成功できる力を与えることを目的としたディスカッションとワークショップを主導しました。「デジタル格差は非常に明白です。これらの人々の多くは、幼い頃にコンピュータに触れる機会がありませんでした。テクノロジーが解決できる問題はたくさんありますが、私と同じような場所出身の人たちが設計に携わっていなければ、追いついてそれを学ぶのは少し難しいです。私は社会的に疎外されたコミュニティの人々のためにデザインします」とHennehは言います。

LeViolaで音楽教育を民主化する

コンピュータサイエンスを専攻している21歳のYoonjae Joungは、ニューヨーク大学での交換プログラムに向けて荷造りをしている時、スーツケースに自分のヴィオラを入れることができませんでした。しかし、ニューヨークフィルのコンサートに行ったあと、彼は自分の楽器が恋しくなり始めました。その時、彼は、ヴィオラの習得と演奏をもっとアクセシブルにするためにデザインされたアプリプレイグラウンド、LeViolaを作ろうと思いつきました。
Joungは、10代の頃に韓国のソウルで教室の電子機器を制御するタイマーを作成したり、最近、一人暮らしの高齢者向けにAIコンパニオンデバイスを開発したりと、長いことプログラミングをしてきましたが、Swiftは初めてでした。「自分の手を使って楽器を演奏する、カメラオーバーレイを使ってユーザーが弓の持ち方を操れるようサポートする、というアイデアを思いついた時、どこから始めればよいかわかりませんでした」と彼は言います。このプログラミング言語に習熟するために、Joungは、OpenAIのCodexとGoogleのGeminiに加えてClaudeも使いました。そのあと、自分のモデルをトレーニングするためにCreate MLで試してから、Core MLを使ってアプリに統合しました。
LeViolaを構築しながら、Joungは、オンデバイスの機械学習のためのAppleのフレームワークを最大限に活用することを目指しました。「どの音が押されたのか判断するために、それらを使って左手の関節を分析しました。弦楽器とリアルな演奏体験を区別するため、私は右腕の角度を追跡することにしました」と彼は説明します。
音符、ヴィオラ、音波のカラフルな3Dイラストに囲まれた、片手を上げて声援を送っているYoonjae Joung。
Yoonjae Joungは、ニューヨークフィルのコンサートに行ったあとでLeViolaを作りました。
Joungは、楽器の習得について、始めるための障壁があることをよく理解しています。多くの楽器は場所を取り、レッスンは高額な場合があります。「私は、人々をつなぐツールとしてテクノロジーと関わっています。このアプリは始まりにすぎません。ほかの楽器についても、これを作ることができます。楽器を持っていない人でもクラシック音楽をたしなむことができるようになります。もっと多くの人に、楽器を習ったりオーケストラを楽しんだりする機会を持ってほしいと思っています。iPhoneはそのすべてを可能にします」と彼は言います。
そして、Joungは当面LeViolaに集中していますが、アートとテクノロジーへの情熱を融合させた別のアプリをすでに考えています。「現実世界の人々をつなぐことができるデジタルプラットフォームを作りたいです」と彼は述べています。
Appleは、毎年恒例のSwift Student Challengeプログラムを通じて、次世代のデベロッパ、クリエイター、起業家を支援できることを誇りとしています。世界中の何千人ものプログラム参加者が、順調にキャリアを築いたり、ビジネスを立ち上げたり、テクノロジーを誰もが利用できるようにし、それを使ってより良い未来を作ることに注力する団体を設立したりしています。詳しくはdeveloper.apple.com/jp/swift-student-challengeをご覧ください。
共有

Media

  • 記事本文

メディア関係者お問い合わせ先

Apple Japan 広報部

media_japan@apple.com